また大きな波が来る前にトーハクへ(その3)
過日トーハクに行った時、今回は刀装具もガッツリ見ようって決めてました。
刀装具の本を読んで以来、刀装具のことも大好きになったんです。
日本の工芸技術が集約って感じで、螺鈿が使われてたり七宝焼が使われてたりとても綺麗。
そういうデコラティブなところをまじまじと見つめたいので、刀装具を見る場合は単眼鏡必須です。
今の時期は来年の干支にちなんだ虎モチーフが多かったです。
こちらは『猛虎図小柄』という村上如竹の作品。
虎の目の部分、よく見るとガラス玉のように反射が見えます。
まだまだ刀装具や技法のことは知らないことばかりなので、ただただ「こんな小さなところにガラス玉埋め込むなんてすごいなぁ」と感心してしまいます。
虎の刀装具はこちらも。
作者は江戸時代を代表する名工と名高い横谷宗珉。
黒い虎と金の虎の喧嘩を彫刻した作品。
18世紀の作品ということもあり、戰のない時代のものです。
戦う武士のための刀装具とはちょっとかけ離れた時代ですが、なんとも勇ましいテーマです。
干支繋がりでいえば、こちらの『十二支図三所物』。
十二支モチーフの刀装具セットです。
上から小柄、目貫、笄(こうがい)です。
三所物(みところもの)とは、この3点をワンセットとする呼び方だそうです。
この3種の中に十二支が集約されてます。
私は早々にどこにどの十二支がいるのか確認するのを諦めてしまったんですが、この精緻な彫刻がとにかく目をみはる。
細かい彫りは刀装具では当たり前のようにたくさんあるのですが、こちらも負けず劣らずです。
目貫はひとつにつき大体3センチ程度。
このわずかな大きさの中に3種類の動物をイキイキと表現しているのがすごい。
現代ではミニチュア作家さんがすごい技を見せてくれますが、不器用な私としては細かい作業をこなしてしまう作家さんは皆さんすごいなと思います。