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【展覧会レビュー】NHK大河ドラマ特別展「どうする家康」

前回のブログで永青文庫に行ったことを書きましたが、それと同じ日に日本橋三井記念美術館まで足を伸ばして大河ドラマ特別展に行ってきました。

 

meg-kinjo.hateblo.jp

 

「どうする家康」自体も好きだし、刀剣乱舞ともコラボしているし。
しかも静岡の久能山から「ソハヤノツルキ ウツスナリ」も来ているし、行かないという選択肢はないんです。

パネルも置いてあったんですけど、こちらは美術館内ではなく日本橋三井タワーのエントランスに置いてあるので、美術館行かない人でも写真は撮影できます。
千疋屋にフルーツパフェを食べに行くだけの人も、マンダリンオリエンタルホテルに用があるだけの人でも、オフィスで毎日働いてる人でも、なんならちょっと寄り道しにきた人でも自由に撮影はできます。

大河ドラマ特別展ということで、家康に関する美術品や史料の展示がメインです。
久能山所蔵のものがとても多かったです。
静岡まで行かなくても見れるの、とてもありがたい。

「国宝の刀剣」と銘打った一部屋には、三井記念美術館所蔵の国宝刀剣が一口だけ展示されていました。
一口の刀剣(前期後期とも短刀)だけを展示するという、贅沢な部屋の使い方です。
トーハク本館2階にある「国宝室」にも通ずる贅沢さです。
部屋の大きさはもうちょっとコンパクトですけどね。

私が行った前期に展示されていたのは『短刀 無銘 正宗(名物 日向正宗)』。
関ヶ原の戦い石田三成から水野日向守勝成が分捕ったと言われている短刀です。
水野勝成は家康の従兄弟にあたり、「どうする家康」的に言ったら、勝成の父は松嶋菜々子寺島進の兄弟にあたります。
勝成本人は「鬼日向」とあだ名される勇猛さで、「どうする家康」の水野家の面々を見るとなんだか納得してしまいます。
今後出てくるかな、水野勝成

 

圧巻だったのは『大日本五道中図屏風(江戸~京都)』。
8曲2双というビッグサイズの屏風絵で家康の一生を辿ったものです。
ちなみにこちら、あくまで江戸から京都を描いたもので、あと大阪から長崎を描いた6曲1双の屏風もあるそうです。
全長26メートル、展示されているものだけで10メートル以上です。
屏風に描かれたお城や周辺がとにかく細かくて、まだ前半だというのにお腹いっぱいになりました。
洛中洛外図屏風』みたいに、屏風絵って情報量多いものをよく見ますが、こちらもそんな感じです。
この展覧会では他にも『長篠合戦図屏風』『関ヶ原合戦図屏風』などの屏風絵があって、頭がパンクしそうになります。
屏風絵を見るなら元気な時に行った方が良いです。

 

頭の休憩時間にもなるような展示もありました。
家康が描いたと言われる鳥の絵『水艸立鷺図』は、ゆるかわな絵です。
徳川家光の絵を見たことある人は分かってくれると思うんですけど、あのゆるふわに通ずるものがありました。
「伝徳川家康」って説明書きにあったけど、たぶん本人が描いたよこれって確信めいたものを抱きました。

その他、教科書で見たやつ!ってなる作品の現物がいくつも。
徳川家康十六神将図』などは歴史番組でも最近よく見かけます。
その最たるものが『金陀美具足』でしょうか。
この展覧会のメインとも言える展示物です。
小さな傷がいくつもあって使用感を感じました。
このリアルさは現物を見たからこそ感じるものだと思います。
ドラマで松潤がまとっていたけど、実際に家康がこれまとっていたんだなぁと感慨深いものがあります。

そしてその隣に『太刀 無銘 光世 切付銘 妙純伝持 ソハヤノツルキウツスナリ』が展示されていました。
初めて見ましたが、第一印象は「真っ黒」でした。
刀身は太くてどっしりとした印象。
家康が実際に佩用し、遺言で「そのきっ先を西(豊臣方)に向けて置くように」とされたと言われています。
徳川の守り刀っていうか、東側の守り刀じゃないですか。
三井記念美術館の展示品紹介ページにでは「家康の御神体として神社の内陣に祀られた太刀」と紹介されてます。
なんか、思ってた以上にすごい刀だったのね、あなた。

想定していた以上に充実の展覧会でしたが、大河ドラマ特別展ということもあって、キャストのスタンディも展示されてました。

私がオタクだからでしょうか、スタンディ見るとなんか落ち着く。
三英傑揃い踏みだし、ドラマのインパクト強すぎて信長見るとなんか笑っちゃうし(失礼)。
こういうの見ると、この展覧会確かに大河ドラマ特別展なんだなと実感。
とにかく濃密な展覧会だったんです。
この規模の展覧会は大河ドラマ関係なくやるべきと思いました。