新型コロナの影響で一度は中止に追い込まれた作品。
今回は大千穐楽まで駆け抜けることができました。
もうこれだけで感無量。
【静かの海のパライソ】
— ミュージカル『刀剣乱舞』公式 (@musical_touken) 2021年11月25日
本日、大千秋楽を迎えることができました。
約1年8か月の時を経て、こうして公演を皆様にお届けできたこと、
カンパニー一同大変嬉しく思っております。
2020年から最後まで応援いただき誠にありがとうございました!
今後とも刀ミュをよろしくお願い致します!#刀ミュ pic.twitter.com/2zkrgl9fR8
そして内容も大満足。
題材は「島原の乱」です。
徳川が治め、大きな戦も起きなくなった時代に起きた民衆による反乱。
これを実に刀ミュらしい味付けで料理してくれました。
天草四郎の曖昧な実在性を逆手に取った作戦はお見事。
「俺が天草四郎、お前も天草四郎!それでええねん!」という流れは、天草四郎は複数の少年たちの総称であるっていう考えに則っているし、豊臣秀頼のご落胤説も取り入れたりしてるし。
刀ミュはこれまでもずっと逸話や物語などをモチーフにしてきて、事実ではないけど史実かのように人々に親しまれてきた話に切り込んできました。
時にはそれを逆手に取った結末に導いたりもしました。
そもそも原作のゲームの設定が、それぞれの刀剣にまつわる史実あるいは物語を縁にしているということもあるからなんですが。
民衆から伝聞してきたことを「○○って聞いたんだ」「××らしいよ」って言う浦島くんに「へえ。見たのかい?」って、真っ向から疑問をぶつけ、「真実より事実が重要」だと語る鶴丸。
彼らが守る”歴史”というのは、そういった伝聞も含まれたものの集積だと言えるけど、あえて伝聞についてNOを突きつけます。
鶴丸の中にある怒りは三日月宗近に向けられていて、彼が秘密裏に行なっている”歴史を守るため”の行動に対してのもの。
彼らの言う”歴史”とは、”史実”あるいは”事実”とは異なるものではないでしょうか。
”歴史”の中に島原の乱で命を落とした民衆のことは書かれてないけど、”史実”は一人一人の民衆が島原で笑ったり怒ったりして生活をしていたこと。
そんな事細かなことまでは”歴史”には書かれません。
鶴丸が海に向かって叫んだ怒りには、そういったことが込められているのかなと思います。
そして今まで演じられてきた刀ミュの内容も絡めつつ、刀剣男士同士の関係性についても深めてます。
鶴丸と大倶利伽羅、松井江と豊前江、鶴丸と三日月宗近などなど、胸熱な関係性満載です。
大倶利伽羅が鶴丸に付き従っているように見えるけど、実際はメンタル面で大倶利伽羅が鶴丸を見守っているし、鶴丸もそれに甘んじていると思われます。
伊達組アツいな。
今回は今まで以上に重い内容だったのですが、鶴丸には大倶利伽羅、松井江には豊前江がいてメンタルを支えてくれたし、浦島くんには本丸に虎徹のにいちゃんが2人も待っていてくれます。
じゃあ日向くんは?となりました。
これはもう刀ミュだけの話ではなくて原作含めてなんですが、同じ正宗の刀剣男士が実装されてないんですよ。
誰が日向くんのことを支えてあげるんだろう。
私はそれだけが気がかりです。