日々是ぶつぶつ

思いついたことを適当に

『枕草子 ビギナーズ・クラシックス』を読了しました

古典文学に全くと言って良いほど縁がなかったので、最近少しずつ読んでいる角川のビギナーズ・クラシックスシリーズ。
今回は枕草子を読みました。

清少納言が書いたことくらいはさすがに知ってますよ。
「春は曙〜」も有名。
けどそこ止まり。

 

 

紫式部清少納言のこと嫌いーみたいなことを聞いたことがありました。
今回ちょっとだけ紫式部の気持ちが分かった気がしました。
そう、ちょっとだけ。

 

「春は曙〜」くらいしか知らなかったので、きっと枕草子というのは平安時代の美しく雅な世界を書いたものなのだろうな、と思っていました。
違いましたね。

清少納言、結構辛辣でびっくりしました。

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清原家のご息女で中宮定子様のご寵愛を受けるような身分高いお人ですので、庶民というのはだいぶ穢らわしい存在かのように思っているのかもしれません。
それとも中宮定子様に合わせた文章なのでしょうか。

これ以降もちょくちょく人を小馬鹿にしたような場面が登場します。
だいぶ清少納言への印象が変わりました。

 

とはいえ、皮肉ばかりの書物が古典名作と言われるわけがありません。
私自身も最後まで読もうと思わないです。
けど最後まで読みたいと思う気持ちの方が強かったです。

 

その理由は、清少納言の書く文章の繊細さ。
「春は曙〜」に代表されるように、風景のこういうところがいい、ああいうところはダメ、人の性格の良し悪しなど、そういうところを見る観察眼や感受性が高く、さらにそれを文章で表現できるところに、枕草子、ひいては清少納言の凄さがあるのでしょう。

彼女が中宮定子のもとで過ごしていた日々がどういったものであったのか、どういう調度品に囲まれ、どんな着物を召していたのか、日常生活はどういったものだったのかが、なんとなく令和に生きる私でも想像がついてしまいます。
まあ、合間合間に清少納言のちょっと自慢げなところも挟まれるんですけどね。