日々是ぶつぶつ

思いついたことを適当に

今週のお題が「鬼」なので髭切と鬼についてぶつぶつと。

たまにははてなブログのお題をチェックしてみようと思ったところ、今週のお題は「鬼」とあって「いっちょ書いてみようかな」と思った次第です。

 

私のように刀剣乱舞やってて髭切を推していたら「鬼」は絶対通るお題目です。
なにせ北野天満宮で所蔵する髭切のモチーフとなった太刀が「鬼切丸」です。

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2018年10月北野天満宮にて撮影

「鬼切丸」の名前の由来は遡ること平安時代
源頼光の家来「頼光四天王」の一人、渡辺綱が京都の一条戻橋で鬼の腕を斬ったからと言われています。

 

夢がないことを申し上げると、この時代の逸話というのは極めてファンタジー色が強いのですが、ここで語られる鬼というのが昔話に出てくる鬼みたいなものではなく、まあきっと源頼光の敵にあたる人間だったかもしれません。
酒呑童子は朝敵だったって言われてますし。

 

鬼とは人ならざる者。
斬る理由をつけるためのものだったかもしれない。

 

いや、もしかしたら「瘟鬼(おんき)」の可能性もあります。
今現在も市中を混乱に陥れている感染症、それこそまさしく瘟鬼。
渡辺綱肥前に赴任していた正暦4年(993年)には都に疱瘡が流行り、未だ疱瘡が猛威を奮っていた正暦5年(994年)に、渡辺綱は頼光と共に肥前から都に戻ってきたらしい。
疱瘡の流行が収まるのと何かがタイミングあって、渡辺綱の一条戻橋の逸話が生まれたのかもしれません。

 

そういったこともあってか、髭切については江戸時代にとても興味深い逸話があります。
当時の持ち主だった最上氏が参勤交代で髭切を箱に入れて行列に加えていた時のこと。
「鬼切丸の下をくぐれば”おこり”に罹らない」という噂が立ち、人々は行列を作ったとか。
おこりとはマラリアのこと。
マラリア感染症ですね。

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2018年10月北野天満宮にて撮影

鬼を斬ったという文字だけを見ると、なんとも恐ろしいとは思ってしまいますが、実際は厄除け信仰の対象であって、単純に恐ろしいというよりも敬う気持ちも加算された畏怖の念が込められた太刀なのではないかと思います。
きっと当時の人も箱の中に入った鬼切丸に想いを馳せて「ありがたや〜ありがたや〜」と言ったのではないでしょうか。

 

鬼が朝敵なのか、はたまた感染症だったかは分かりませんが、刀剣乱舞のキャラクターとしての髭切は、八幡大菩薩のお告げを聞いたり美味しそうなお団子を見て喜ぶような、キュートネスな刀剣男士です。