日々是ぶつぶつ

思いついたことを適当に

『黒執事』全30巻読了しました

『黒執事』が15周年を迎えることを記念して、電子書籍化&既刊全30巻96時間限定無料配信ということで、がんばって読み終わりました。

 

magazine.jp.square-enix.com

 

アニメは見たのでキャラクター設定とかは大まかに知ってるので、ミリしらというわけではないです。

けど原作をまともに読むのはこれが初めてです。

 

全編読んで際立つのは、枢やなさんのファッションへのこだわりでしょうか。

ファントムハイヴ家御用達のファッションデザイナーが出てきますけど、あれこそ原作者本人では?と思えるほど。

ファッションを見るときは靴に注目しがちなんですが、『黒執事』の靴ってどれもおしゃれ。メンズもレディースも。

あとちゃんと足のサイズもキャラクターによって変えてますよね。

足が大きいとか、纏足の子も出てきますけど、小さいとか。

ああいうディテールへのこだわりとか、私は大好物です。

 

ファッションという点では、「青の教団編」が特に楽しませてくれました。

「推しを推すことは宗教」という言葉がありますが、そんな概念を真っ直ぐに作品に落とし込んだシリーズ。

このシリーズを読む上では「寄宿学校編」も読んでいかないとならないのですが、こちらも制服への並々ならぬこだわりが見えます。

「寄宿学校編」はミュージカル化が決まって、すでにキャストも発表済み。

そうすると、ああこのキャラクターは彼かー、彼が「青の教団編」ではああなってこうなるのかーと、妄想膨らますこともまた一興。

 

それで、これは誰もが思うことなんですが、ツイステッドワンダーランドやってる人は、「寄宿学校編」と「青の教団編」を読むことを強くオススメします。

キャラクターメイキングとかダブるところが多いし、ルーツが見えてきます。

黒執事』全体がそうなんですが、特にこの2つのシリーズに色濃い。

枢やなさん、メインキャラクターを善人にしないのうまいなーって思ったりしました。

善人を書くのって簡単なんですよね。

理想を描けばいいので。

黒執事』もツイステも、メインキャラクターは完全な善人ではないですよね。

独善的だし、思いやりもビミョーだし。

けど魅力的なキャラクターに仕上げてしまうんですよね。

独善的になる理由、思いやりに欠ける理由とか、そういうこともちゃんと描くからでしょうか。

 

ところで、私はシャーロキアンに片足突っ込んでるのですが、シャーロキアン諸氏には「ファントムハイヴ邸殺人事件」というお楽しみがあります。

シエルがシャーロック・ホームズシリーズ最初の本「緋色の研究」の読者だったことが分かります。

そしてアーサーという新人小説家もシリーズ全編に出てきます。

トリックはシャーロック・ホームズのような観察と理論によるものとはかけ離れてますが(『黒執事』は悪魔がメインのファンタジーなので……)、ちょっとしたクロスオーバーとしては面白かったです。

ついでに『憂国のモリアーティ』とクロスオーバーしないかな、とも思ったり。

「貴族胸くそ」という共通点もあることだし。