日々是ぶつぶつ

思いついたことを適当に

『ドクター・ドリトル』(RDJ版)を観ました

ロバート・ダウニーJr主演の『ドクター・ドリトル』を観ました。
昔の『ドクター・ドリトル』も何回か観たはずなのに記憶はほとんどありません。
人間の記憶なんていい加減なものです。 

ドクター・ドリトル (字幕版)

ドクター・ドリトル (字幕版)

  • 発売日: 2020/09/18
  • メディア: Prime Video
 

時代背景は現代ではなく、まだ移動手段に馬車を使い、船で別の大陸に移動していたような時代。
RDJ、シャーロックやってるせいかこの時代に違和感がない。

 

ワトソン的な人間の相棒もいます。今回は子どもですが。
子どもがメインにいるということで、この作品はキッズ向けです。
キッズ向けだけど某大作のように大人も楽しめるか、と聞かれたらノーと言う人もいるでしょう。

難しい伏線、大いなる敵、こんがらがった人間関係、迎える絶望。
こういうのが好きなら、この映画は面白くないと思います。
この映画は純粋にキッズ向けで、「荒唐無稽、だがそれが良い」と思えるような人なら大人でも良いと思えるかもしれない。
理論や現実性とか、そういう難しいことは考えず、ハチャメチャでドタバタでハッピーエンドな作品。
動物と話ができたら良いよね、という夢を叶えてくれて、動物たちがドクターのために頑張ってくれて、ヴィクトリア女王を救ってしまう。

 

『エルマーの冒険』とか絵本をそのまま実写映画にしたような感覚になりました。
絵本って現実的じゃないことがたくさん起こるじゃないですか。
スイミー』だって、みんな集まって自分たちの数十倍大きな魚に挑んだり。
そういう映画だと思う。
RDJはもしかしたら自分の子どものためにこの映画を作ったのかもしれない。

 

みんな人が死ぬ映画を観すぎてるから、こういう頭空っぽにして童心に帰えれるような映画をたまには観たら良いと思う。

オレンジページが最近”手抜き”を提案してきてる

なんとなく思い始めてきたけど。
老舗料理雑誌の「オレンジページ」、最近手間のかからないレシピを全面的に出してる気がする。

 最新号のテーマは「お弁当はテキトーでもおいしい!」

オレンジページ 2021年 3/17号 [雑誌]

オレンジページ 2021年 3/17号 [雑誌]

 

 前号のテーマは「家事と料理のめんどうなアレ、やめてみた!」 

オレンジページ 2021年 3/2号 [雑誌]

オレンジページ 2021年 3/2号 [雑誌]

 

 2月2日号は「誰が作っても味しみ宣言! 煮込まない煮込み」 

オレンジページ 2021年 2/2号 [雑誌]

オレンジページ 2021年 2/2号 [雑誌]

 

 他にも『2021オレンジページCooking冬』のテーマは「ほったらかし料理」

 

オレンジページは主婦向けというイメージが強いかもしれないけど、家にいる時間が長くなって料理を始めた人もいるでしょう。

オレンジページは元々レシピが分かりやすいので、そういう人にはうってつけ。

 

今まで料理してきた人たちにも、料理に対して肩の力を抜いたらって提案しているような気がする。
いわば“手抜き”の提案。

「家にいる時間が長いから料理に手間をかけよう」ではないところが、なんだか親しみを感じさせる。

『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』読了しました

web連載開始当初から追ってた、コミックエッセイ。
正直、作者のひるなまさんが連載を描き切ることができるのか、単行本が出せるのか、けっこう心配しながら読んでいました。
無事に単行本発行できて、描き下ろしも描けて良かったです。

 

タイトルの通り、ひるなまさんの個人Twitterアカウントを見ると、本当に元気。
食事もしっかり摂ってるし、こないだの刀ミュライブ配信はほぼ全通してたくらい。

けど今みたいになるまでにめちゃくちゃ痛い検査もしてるし、外科手術もしてるし、心身ともにダメージを食らう抗癌剤治療もしてます。

 

前半の検査段階までの部分は、本当にこれはガンについてのコミックエッセイなのかと思えるほど、面白おかしく描かれています。
本業がBLのエロ漫画家(察するに、たぶんかなり濃厚なやつ)ということもあって、大腸周りの器官にやたら詳しく、液体描写と擬音がBL漫画でよく見るそれだったり、BLを嗜む者としてはそういう部分も面白くて。

笑って涙したかと思ったら、検査以降の回からはつらくて涙してしまうシーンが増えてきます。
けどひるなまさん自身がとても心強い味方に囲まれていて、そういった方々の支えもあって明るくしていられるのかもしれません。

 

全体を通して何度も「人による」「主治医と相談して」などを強く求めているのもとても特徴的です。
たとえば作品の冒頭に「これはあくまで私の経験の話で、ガンの診断過程も治療過程も副作用も人によって違う」という旨を1ページにまとめて書くこともできたと思うんですが、そうはしない。
ことあるごとに「主治医と相談して」「私の場合は」を強調します。
個人的にはこれが好感ポイントでもありました。
「ここに書かれている症状がないから、私は大丈夫」とか「こんな検査私はしなかったから嘘だ」と思ってはいけないのが医療の世界。
あくまでこんな末期ガン患者もいるから参考にしてねっていうことだと思います。

 

ちなみに表紙でも分かる通り、作中でひるなまさん本人は鳥獣戯画のうさぎで描かれているんですが、多くの人物描写は日本画風で描かれてます。
これがまた画力が高い。
患者サイドは鳥獣戯画風に、医療関係者(ヤブ医者除く)は人間として描かれているんですが、デジタルとはいえ筆ペンでコミック向けの人物描けるってだけですごいです。
(余談ですが、エロ漫画家で画力高い人はけっこう多いです)

この画力で医療系コミックエッセイって珍しいのではないでしょうか。
人物だけでなく小物とか背景とかもとても良く描写されているので、よけいにリアリティあります。

 

連載当初にはなかったのですが、単行本化にあたり医療監修もついたので、オススメ度合いが高まりました。
連載開始時から医療関係者の間で「医療関係者いないのにこんなに描けるのすごい」と高評価でしたが、やっぱり医療監修があるのとないとでは安心感に違いが出てきますし。


いつ誰がどんな病気になるのか分かりません。
いざ何か大病を患った時の参考図書として本棚に置いておきたい漫画でした。