【展覧会レビュー】特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
東京国立博物館創立150年を記念して、国宝89件をはじめとした名品と諸資料を紹介する展覧会。
国宝展やるよっていうプレスリリースがあった瞬間から「行く」と決めていた展覧会でした。
毎度おなじみ、東京国立博物館。
今回は完全予約制で当日券の販売もなしです。
NHKが主催に名前を連ねているということもあって、国宝展開催前から関連番組が目白押し。
生放送での内覧会とか、これまでのNHK主催展覧会でも初めてではなかったでしょうか。
そのほかに「歴史探偵」「英雄たちの選択」という歴史系番組から「チコちゃんに叱られたい」なんて雑学番組まで国宝展を特集。
この力の入れようは、150年という節目でありながらもコロナ禍で開催しなければならない、ということもあるからかもしれません。
企画が始まったのがコロナ前か後かは分かりませんし、勝手に想像していることですが、よその美術館や博物館から借りるために生じるコストも人流も抑えられたことにより、大幅な収入減によるコスト削減と感染対策ができたのではないか。
などと、考えてしまいます。
展示の多くがタイトルの通りの国宝。
手前を見ても国宝、隣を見ても国宝、向こうを見ても国宝。
展示ケースの中に入っているもの、見渡す限り全部国宝。
フィクションなら怪盗に1個や2個奪われてしまうようなストーリーが展開されてもおかしくありません。
絵画から始まる第1会場は人がたくさん。
音声ガイドがあるところでは人だかり。
コロナ禍前よりは人の厚みは薄いけれど、それでも簡単にガラスケース手前に行くのは難しいほどです。
それでも私は「古今和歌集(元永本) 上帖」はこの目で見たかったのでガラスケース前に並びました。
平安時代は、今よりも紙は貴重なもの。
しかし貴族たちはさらにお金をかけて金箔や銀箔を紙に蒔き、文様を摺り、その上から和歌を認めたのです。
これが贅沢と言わずなんでしょう。
自宅で国宝データベースを眺めることはできるけど、やはり現物を見なければ。
経典を黒い紙に金泥で書写した豪華さに通じる美しさです。
そしてその紙に乗る流麗な文字。
正直なんて書いてあるか読めないけど、この文字が雅なのは分かります。
第2会場は個人的に主目的だった「刀剣の間」から始まります。
今回の展覧会全体を仕切ってる学芸員の佐藤さん、書籍も出してるほど刀剣に詳しい方で、「刀剣の間」も佐藤さんの希望だったとか。
文化庁が数年前に美術品の年間展示期間を変更したので刀剣のような工芸品は年間150日以内になり、国宝展では会期中展示替えはありません。
これも刀剣が見たいという人には喜ばしいことです。
まずは「童子切安綱」がお出迎えし、部屋に入ると今度は「三日月宗近」が中央に鎮座。
この2口がトーハクにとってどんな存在なのか、これだけでも理解できます。
そして囲むように他の国宝刀剣が部屋を取り囲むように並んでいました。
個人的な印象としてですが。
細身でシュッとした印象の友成の隣に大包平が展示されていて、大包平のドーンとした印象が増した気がしました。
これは確かに刀剣の横綱。
それと、備前刀の刃文が好みの私とてしては、福岡一文字の吉房の刃文がとても好みだなと思いました。
こういう印象を持てたのも、国宝刀剣を一気見できたからでしょう。
岡田切の刃文きれいでした。
今回の展覧会のグッズがネットでバズりましたが、現物見てもやはり可愛かったです。
「挂甲の武人」のぬいぐるみはバズったおかげで完売。
「遮光器土偶」のキーチェーンも完売。
私はほとんど何も入らないであろうポーチを買いました。
これも十分かわいいですよ。
この他、公式サイトに掲載のないグッズがたくさん。
厳選して買い物してきました。
刀剣ガチャもやってきました。
「童子切安綱」と「大包平」を引きました。
刀剣乱舞で大包平のボイスを全部聞いたことのある人なら、この組み合わせにニヤリとするでしょう。
私もマスクの下でニヤニヤしました。
とても満足したので、展示替えした頃合いでまた行きたいなと思ってます。
しかし冬が近づくにつれて、コロナの波が気になるところでもあります。