螺鈿を知りたかったのに書籍『愛蔵版 茶箱と茶籠の図鑑99』に行きあった
刀剣の拵えや万年筆には時折螺鈿が使われていることがあります。
そういえば螺鈿でどうやって作るんだろうか、とふと思い立ち、手っ取り早くKindleでなにか螺鈿に関する本はないかな、と手始めに「螺鈿」で検索かけたら1冊の本に行き合いました。
タイトルに「螺鈿」の文字はなにもないけど、都合よくKindle Unlimitedだったしということで、迷うことなく読み始めました。
日常で使う煎茶や抹茶の器具を収納しておく道具、茶箱と茶籠を、図鑑の名の通りたくさん見せてくれる本。
旅館の部屋に茶道具一式を入れている容器を見たことがありますが、それが茶箱。
この本では量産品ではない、工芸品としての茶箱や茶道具をたくさん見せてくれます。まさに眼福。
中には蒔絵や銀象嵌を施した茶道具なんかもあったり。
日本の伝統工芸の粋を集めたという見方をするならば、これは刀剣の拵えに通じるものがあります。
「葡萄蒔絵茶箱」なんて、日光一文字の刀箱にそっくりじゃないですか。
もちろん螺鈿が使われた茶箱もあり。
図鑑は文字を追わなくても写真を眺めているだけでも満足できるので良いですね。
私が一番目を引いたのは、昭和期制作の「カモメ蒔絵茶箱」。
茶箱には珍しく、青漆を施して海の色をしたものです。
蓋には卵の殻で描かれたカモメが悠然と飛び、箱には銀色の波。
色の物珍しさから目を引いたというのはあるけれど、工芸品として面白い作りしているなぁと思います。
掲載されている茶箱たちは製作年こそ近代のものが多いですが、美しいものであることに古いも新しいも関係ない。
こんな素敵なものを実際に使えたら良いなぁと憧れつつも、そんな丁寧な暮らしもできないしと憧れだけで終わるのです。
さて、当初の目的の螺鈿とはなんぞや、という疑問はこの本では分からず。
なんてことはない、Googleで検索した方が近道だった。
現代の螺鈿職人といったら、野村拓也さんでしょうか。
螺鈿っていう漆と貝を使った工芸品でアクセサリーを作ってます!
— 野村拓也 7/28-8/2新宿伊勢丹6Fイベントホール 螺鈿職人 (@takuyanomurardn) 2021年7月10日
#私の作品もっと沢山の人に広がれ祭り pic.twitter.com/jFzgEfV1wX
しかし私はついついKindleで検索したことによってこの図鑑に出会えたことの方が大きな収穫のように思えるので、遠回りでも良いかなと思う。
螺鈿の制作には夜光貝が使われていることがあるそう。
なるほど、刀剣乱舞のゲーム内イベントで絶賛収集中の夜光貝ですか。
ちなみに沖縄尚家伝来の北谷菜切の拵えには夜光貝が使われていることも覚えておきたい。